[ 赤穂市議会 ] 委員会では議員のボーナスアップに私だけ反対! なんだろ何か色々考えてしまいますね

こんにちは 赤穂市議 山野たかしです。

夜の散歩で撮ってきた赤穂駅!さて所属している委員会が終わりました。補正予算、個人情報保護条例、地方公務員の定年延長、市長などの特別職・議員のボーナスアップ、企業版ふるさと納税といった条例部分が多かったですね。

目次

議案に対して

補正予算は少し微妙なものがありましたね。

公務員65歳までの定年延長

65歳まで定年延長されるってどうなん?と、職員さん誰に聞いても「 人による ・・・」 まぁそうですけど、外部から見れば働く人にはメリットしかないですけどね。どうみても選択肢だけが増えているわけですから。
デメリットはやはり財政負担のようです。あとは仕事量は増えてないのに人だけが増えるわけですからそういったこともどうするのでしょう。

誰も退職しなかった場合の負担額くらい聞けばよかったかなぁと後から思いましたが結構な影響額ではないかと思います。 しかし、政策に影響がないよう取組むといった趣旨の答弁をされていたのでしばらく数字を見ながら見守るしかないのでしょうね

しかし、中々でしょうけどこれが民間に波及されれば、また年金支給開始年齢を遅らしていくんだろうなぁ・・・

本当に厳しい市民生活、議員のボーナスアップには反対

本議会には、議員と特別職(市長、副市長、教育長)のボーナスアップの議案が提案されています。

根拠は人事院勧告に準じて提案しているとのことでしたが、官民の比較対象となっている大企業ほどインフレの影響を吸収できるから、例年と同じことをしていても収益があがるためそりゃ過去最高益なるでしょ、しかも円安。結局中小があおりを受けているのではないですか。昇給すらしないところなどいくらでもあります。

市民生活においては、コロナの影響、エネルギー価格や物価の高騰、ステルス負担増など年々厳しくなっていると感じている方が増えてきていると感じます。他市の選挙をみても第三極の勝利が増えてきているので、経済状況だけとはいいませんが現状に不満を持つ方が増えてきていることが読み取れます。

増税増税!こんなのも決まってますしね 森林環境税及び森林環境譲与税 – 総務省
あとは切実に物価が上がらないことを祈るばかりです。

今回も議員のボーナスアップには反対しました。特別職(市長、副市長、教育長)のボーナスアップについては質疑をして賛成しました。

「提案理由が人事院勧告に準じると言っていたが、
ただ当てはめるだけか? 市の景況感はどう思っている?」

「報酬審議会で人事院勧告に準ずると決まったからそうしている、
 市の景気など関係ない」

と、人事課長の答弁。市長の言葉ではないですけど意図するところは同じでしょうね。

市内の景気は全く関係ないそうですよ

日々移り変わる市民生活に寄り添う必要はないのか

少なくとも議員の報酬に関しては、市が定める議会基本条例にこの条項があります。

第18条  2 議員報酬の改正に当たつては、市政の現状と課題、将来予測及び展望等を十分に考慮するものとする。

考え方はボーナスも同じではないでしょうか。いつやったか分からない報酬審議会(H30)に拘束されるより日々移り変わる社会情勢にこそ適応していかなければいけないと感じます。(ある意味自分たちで決めるとお手盛りもあるということでしょうけど、そこには市民の目線が常にあるはずですけどね)

また、地域の実情という面では、財政破綻で注目されている京都市においては

京都市職員、ボーナスアップの補正予算案を可決 (朝日デジタルより)
https://www.asahi.com/articles/ASQCZ7489QCZPLZB009.html

さすがに特別職や議員の条例は今のところ上がってないようですね。まぁ本給カットしながらのボーナスアップは意味わかりませんが、政治家において適用するかどうかはこのように当時の自治体の事情を考慮するのが当然であると思います。

さらに、こまかい事情まで分かりませんが豊中市議会では特別職のボーナスアップは可決ですが、議員のボーナスアップは否決しています。大阪といえども、定数34人中維新会派は8名。他の保守系の議員さんも反対していますね。

下げることが絶対的に善ではない

上げるのが良いのか、上げないのが良いのかは自分的には世論は半々のイメージですが、「ただのパフォーマンス」「もらって地元で使え」「意味ないよね」などいただく声は反対意見ばかりです。

私の場合、自分の人事課長がいませんので自分の言葉でその行動を説明するのですけど、理解してもらう、もらえないなどどっちでもよくて、それが自分の信念であるというのが政治家は大事なのだと思っています。

数年前の委員会でも報酬審議会が決めたと副市長は連呼していましたが、自分の行動を報酬審議会が決めたからと人のせいにするのが疑問でなりませんでした。議案提出権は誰にあるのかと考えれば、一体あなたの信念はどこあるのでしょうか。ボーナスなんて自分の待遇のことなのに、いつも市長の声が聞けないのが残念でなりません。

審議会 – 参議院法制局より  https://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column030.htm
審議会が諮問機関である場合、その答申に法的拘束力がない以上、それに係る施策等を最終的に決定するのは諮問した行政機関自身であり、その施策等に関する責任はその行政機関が負うべきものです

検索したら一番上に権威のあるところがでてきましたが、このとおり諮問機関に議案提出権もありませんし、答申に拘束もされないなんて誰でも知ってます。私なりの見解ですが、審議会でワンクッション置いてきた意味が職員さんには染みついているので、お墨付きをいただけばそれが誰に対しても免罪符のように感じるのでしょうか。

また京都と同じようにカットしながらボーナスアップも赤穂市でも以前ありましたよね、それはそれと当てはめていくのがいかにも行政的ですけど、こうしたことも含め行政的思考というのはいつまで経っても理解し難いです。

なぜ特別職の議案には賛成するのか

あと今回3年ぶりのボーナスアップでしたので、前回の私の議決行動に関して他の議員さんは誰も覚えていません。「なんで特別職には賛成するん?」と言われましたが、前回も特別職には賛成しました。

身を切る改革というのは党のHPを見てもらえれば分かる通り、この行動を通じて仲間を増やし改革を進めていこうというものです。反対するのは簡単ですが、それでは主旨とはちがうと思っています。まず議員の議案を否決するまで賛同を得て、そうした行動に特別職も議員さんらがそうするならと賛同してもらえる。それが目指すところであろうと思っています。

一見矛盾するようですが、筋は通っているはずです。しかしながら、先ほどのとおり、報酬審議会のみに拘束され、市内のことなど関係ないそうですから、賛同を得るのは夢のまた夢であろうと思います。

でもあきらめたらそこで終わり! 
まずは議員さん誰か反対してもらえるよう頑張りましょう!

議会の役目と行政の無謬性

意外と遠目で見ている私

話は変わって、市役所の自己防衛力はすごいと今回の委員会でそう感じました。

市長を守るぞ!! こう号令がかかった気がします・・・

副市長の指示で人事課長が答弁。前回こちらが質疑を打ち切った時の答弁内容をきっちり答えます。
このように反対する人を特定、その発言内容など想定し確実に打ち負かす準備は常にされているのでしょう。ただでさえ法や制度論にもちこまれるとほぼどうにもならないのに、こちらが反対意見を変えながら議論を重ねればどんどんデータが蓄積されていくのが怖いですね・・・

でもまぁ、こちらの今の主張は「市、市民の情勢に寄り添う必要はないのか」というものですが、市長は今回「市の景気は関係ない」と市民を突き放した答弁をしたわけですから、もう何も言う必要はないですね。

議会の役目と改革

また、なにか遠目に見ていて感じたのは、このように敵ができると団結するように議会の役目というのはこういうこともあるかと思います。どういった質問をされるかわからない、何に反対されるか分からない、あいつは敵だから気をつけろ、その緊張感が組織を鍛えるのでしょう。

最近あることがあり議会で保守、共産なんて言葉をたまに聞くのですが、地方議会においての実際の定義は相当難しいものだと思います。しかしこれだけは言い切れます、何も反対しないのが保守ではない。先の豊中市議会のように議案の否決なんてあって当たり前、それが健全な議会制度であろうと思っています。

「議案に反対すれば、それは市長に対する不信任だ!」なんてわけのわからないことを今も昔も聞いてきましたが、以前片山元鳥取県知事の講演で「うちとこでは議案の修正なんて当たり前、それに理由を聞くとなるほどと思うことがよくあった。」とおっしゃってました。要するに首長の取りよう一つなわけです。

数年前、私が議案に反対したとき「あいつは保守なのに反対するのはおかしい」なんておっしゃってた方がいたそうですが、仮に行政サイドがそうした考えに固執していたら、それこそただ対立を煽るだけで終わってしまいます。

以前読んだ本に、一度でも議会が議案の修正、否決をすればお互い楽になるといった記事がありました。元議員さんと大学教授の書かれた本だったので単なる理想だけでなく実務に即した面もありとても良書でした。

お互いというのは、執行部と議会のことです。私目線で見ていても、とにかく我々は間違ってない、何も間違ってないと答弁されていると疲れてしまうのではないかと感じるときがあります。本の中でも議会制度の趣旨を考えると、修正、否決は当然のことであり、修正・否決されたからメンツをつぶされるとか、そういったことを感じる必要など本来どこにもありませんし、議会側もおかしいと思っていても何もできないもどかしさから解放されます。

まぁお互いの信頼が大前提になると思いますけど、少なくとも地方議会は追認機関と揶揄されることからの脱却が目指すところであると思いますし、執行部も無謬性にとらわすぎる必要はないのではないでしょうか。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

赤穂市議会議員( 1974生) 山野商店・不動産営業・行政書士となんでも屋さんです。
よくわからないながらにネットを駆使し情報発信と意見集約に励んでいます!!

目次